亡き愛する人の好きな物
2016年7月2日
メロンと桃とブドウ。
優しい太陽の光が降り注ぐある水曜日の午後。
私は恩人宅へ伺う道中、お仏前へお供えを選ぶため、
旬の季節には少し早い早生の果物が並ぶ冷蔵コーナーにいました。
駐車場を降りたその瞬間から、
「メロンを買わないといけない!」
と脳裏に浮かび、たくさんのメロンの中から、
おいしそうなメロンを選びました。
「桃も!」
と聞こえてきたので、桃を探しました。
あるかな?と思いましたが、
控えめだけれども、うっすらピンク色をしたかわいい
子ぶりの桃がありました。
ビックリしました。
なぜなら、まだ桃が出回る時期ではなかったからです。
レジでお店のスタッフに聞くと、今シーズン今日初めて入荷され、
今日初めて店頭に並んだとの事。
メロンのグリーンと桃のピンク。
お仏前においしそうに3色きれいに並ぶ様、
濃紺のつやつやしたブドウも選びました。
恩人のお宅へ到着するとすぐに、
「○○ちゃんが、メロンが食べたい!とおっしゃっています」
と申し上げると、お父様は
「○○はメロンが大好物だった」
と教えて下さいました。
「まあ、そうだったの?私知らなかった!
この子はお父さんっ子だったので、
お父さんはよく知っていたのね。ではさっそく!」
とお母様はニコニコして
お仏前にお供え下さいました。
これから咲き誇るひまわりの花の様に輝く笑顔の○○ちゃんが
うれしそうに微笑んでいるお顔のご遺影の背景は、
同じように輝くひまわりの花が美しく咲き誇っていました。
梅雨明けももうすぐ。
メロンと桃とブドウをお持ちして、
近々お邪魔させ頂きたいと思います。